昨年の9月15日に起きたリーマン・ブラザーズの経営破綻は、世界金融危機の引き金となり、そして世界経済は大不況に陥った・・・住宅や職を失う人が続出する一方で、原因を作った投資銀行や保険会社たちが公的資金で救われてゆくことに憤りを覚えたマイケル・ムーア氏が、NYのウォール街へ突撃!皮肉タップリに彼らと資本主義そのものについて批判を展開する。
そう、今回のマイケル・ムーア氏のテーマは『資本主義』-企業規模の拡大と利潤追求を追い求める資本主義というものは、人間の暮らしにどんな影響を与えるのだろう?ということを浮き彫りにしようとしている映画でした。それもどちらかというと、前作:シッコの医療問題でもそうでしたけれど、低所得者層へのフォーカスが中心で、格差についての批判や提言が比較的多かったように思いました。またメディアへの批判についても触れていましたね。
テーマ自体は、現代社会の根底にあるものなので、重いテーマだとは思いますが、時折挟まるマイケル・ムーアのコメントや登場シーンが、皮肉を交えながらも細かいギャグも織り込みながらの感覚で、全体のトーンを軽めに感じさせようとしているようでした。
最後のシーンでも、最終的な移民先の場所についてなんかでも、明らかに現実を痛烈に皮肉っていることがよく分かります(笑)
現代の資本主義は、どのように世の中をねじ曲げてきているのか?を分かりやすく見るにはよい映画だと思います。個人的にはもう少し時間を短く(100分程度で)要点を絞ってもらえると、途中がだれなくてうれしかったりしました。