2009-08-24

深夜に一人で観よう! このエントリーを含むはてなブックマーク 

深夜に一人でみたらかなり怖い作品。
本作はフランス映画祭のホラー・ナイト3本立てて上映された作品の中のひとつ。
この作品が一番怖かったという感想も聴いたので期待して観にいった。
フランス映画祭の時のインタビューで、パスカル・ロジェ監督はこの作品はフランスではなかなか受け入れてもらえないと語った。
その理由は、残酷描写の故ではなかろう。

映画は、リュシーが何者かに拉致監禁された倉庫街から自力で脱出する場面から始まる。
幼い頃監禁犯から自力で脱出したリュシーが、15年後に犯人の家に銃をもって押し入る。
どんな復讐を行うのか?
期待して観ていたら復讐自体はわりとあっけなかった。
以前に見た「ハイテンション」のような描写があり、一瞬又か!と思った。
が、その後の展開は予想とは全く違った。
後半部分はネタバレするとつまらないので内容にふれることはできない。

この映画を見た日の前日に見た“ホッタラケの島” とは真逆の実に不快な映画だった。
が、チラシにある通り、こんな映画を観たことがないことは否定できない。
一神教を信じる欧米の人々にしか決して作れない作品だ。
ラストは結構奥深いものがあった。
が、彼女は、自分の犯した間違いを恥じてあの行動に出たのではなかろう。
自分たちが信じてすがっていたものが無いことがわかったからだ。
神も死後の世界もあるわけないだろ、そんなもの、とはなから思っている者にとってはきわめて馬鹿馬鹿しい。
ドーキンスが分厚い本を書かないと、「神は妄想である」ことを説得できない世界観の中でのお話。

この映画が、欧米で受け入れてもらえない理由は、残酷描写よりも、狂信者を描いて宗教家のいやなところを突いているからだと私は理解した。
温厚篤実そうな集会者をターミネーター(でも何でもいい)が皆殺しにして終われば良かったのにとわたしは思った。
特に後半は意外性とショッキングな描写の連続で、ホラー好きには文句なくおすすめできる作品でした。

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