2009-08-19

今までにない感覚 このエントリーを含むはてなブックマーク 

先ごろのフランス映画祭でも話題になったフランスのホラー映画「マーターズ」。フランス映画祭の「ホラー・ナイト」で上映された後,あまりの残酷さに表現しようがないほどの極悪がある意味評判になった作品。「ハイテンション」、「屋敷女」とスプラッターホラーの常識を超えた作品と聞いて観賞しましたが、予想をはるかに超える怖さでした。ビジュアルでの視覚からの怖さというより、精神的な恐怖。拘束され支配される恐怖、皮膚を切り肉を削ぐ恐怖、たくさんの流血や拷問シーンがもう絶え間なく続く作品です。ホラー映画にありがちな、最初のストーリーで後半が見えてしまう、ということもなく、何が出てくるかわからないという不安の恐怖。いい意味でストーリーが予想できず、斬新なカット割、今までに感じたことのない感覚に圧倒されました。リアルな残酷シーンが絶え間なく続くのですが、目をスクリーンに釘付けにするほど深い魅力を持っているのです。それは痛々しい鮮烈な残酷描写だけではなく、ストーリーが次々と展開していくからなのです。ミステリアスなサスペンス・ホラー映画で、前半は少女時代に誘拐されたリュシーによる復讐劇。後半は親友アンナの悲劇が描かれ、黒ずくめのオカルト秘密結社が登場もし、2部構成の映画のようでもある。宗教的な要素も加味された内容になるので、単なるバイオレンス・ホラー映画ではなく最後には「人が死ぬ直前に見るものは何か?」という哲学的なメッセージがあります。これほどまでに残酷であり、ストーリー性のある内容に、今までのホラー映画の概念が覆されました。是非この体験をしたい方は、劇場へ!

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まいこっこ

ゲストブロガー

まいこっこ

“映画は月10本(新作がほとんどです)、DVDも10本見てます。”