2009-02-19

他人を犠牲にしなければ、マトモな生活さえ出来ない時代?ーー映画『この自由な世界で』ーー このエントリーを含むはてなブックマーク 

 今日は午前中行きつけの下高井戸シネマで『この自由な世界で』(監督:ケン・ローチ、出演:キルストン・ウェアリング他、英・伊・独・西、2007年)を鑑賞。

 http://www.kono-jiyu.com/index.html

 映画館を出る頃には暖かくなっていたけれど、行きは風が冷たく、比較的薄手のアウターを着てきたことを、ちょっと後悔。予報では今夜は雪が降るらしい。

 上司のセクハラに猛烈に抗議したために人材派遣会社を解雇された、シングルマザーの女性が、もう二度とこんな思いはしたくないと、東欧からの移民労働者を日雇いで工場や建設現場へ派遣する人材派遣業を初める。しかし不運が重なり、彼女はリスクは高いが利ざやも大きい、不法滞在の外国人労働者の募集と派遣にも手を染めるようになり、また、給与の支払いが滞ったことに激怒した移民労働者から暴力を受けたり、強盗に入られたりもする。

 詳細は↑のホームページを参照。

 主人公は現代的なビジネスパーソンたるべく、ひたすら冷徹であろうとし、事業を成功させるという目標達成のためには手段を選ばない。しかし他方で彼女は、不法滞在のイラン人一家に同情して、一家を自室に泊まらせたりもする。すなわち、彼女は確かに、移民労働者や不法滞在の外国人を「食い物」にする悪徳業者ではあるが、別に根っからの悪人という訳ではなく、苦しむ他者への同情心のような、「普通の」人間性を持ち続けているのだ。つまり、彼女は天使でも悪魔でもなく、普通の人間なのだ。
 
 ネオリベ&経済グローバリゼーション全盛の、この時代には、他人を犠牲にしなければ、マトモな生活を送ることさえ出来ない?

 午後、二ヶ月ぶりに散髪&調髭…。この頃白髪も出てきたので、今度自分でヘナで染めてみようかな。

 今日、鏡で見る自分の顔をまじまじと観て、随分と老けたことに愕然とした。

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知世(Chise)

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知世(Chise)

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