2008-10-29

1408号室……禁断の部屋に隠された謎とは!?悪夢?妄想?それとも現実なのか? このエントリーを含むはてなブックマーク 

巷では「『シャイニング』が霞んで見えるほどの一大傑作」
「スティーブン・キング映画史上No.1大ヒット!」
との前評判があり、公開を待ちわびていた作品。
主演は演技派のジョン・キューザック。
共演は、様々な演技を見せ、存在感あるところを魅せるサミュエル・L・ジャクソン。
それに加えて、名探偵モンクのトニー・シャルーブまでが出演しているとなれば、大好きな俳優陣勢揃いでもあり、見ずにはいられない作品であった。

そして、先日、一足早く開催されたレビュアー対象の試写会に運よく当選、待ちに待ったこの一大大作を目にする機会を得られたわけである。
何と、おすぎさんとピーコさんも会場にはいらっしゃり、まさかのご一緒鑑賞が実現。
ある意味、これだけでも満足できた試写会。。。

さて、映画の内容は……
「オカルト作家マイク・エンズリンは、幽霊ホテルや心霊スポットという噂のある場所に出向いては、そのルポを執筆するオカルト作家。これまでにいくつもの取材をこなし、噂の真相を著作にしている。そんなエンズリンのもとに、ニューヨークにあるドルフィンホテルの葉書が届く。しかも、差出人も記されていないこの葉書には、「1408号室には入ってはいけない」という謎に満ちた言葉だけが綴られていた。好奇心を覚えたエンズリンは、早速ニューヨークのドルフィンホテルに向かう。そして「絶対に1408号室には入るな」という支配人の採算の警告にも耳を貸さず、ついにその扉を開けるのだった。果たして、1408号室には何があるのか-。」(資料より抜粋)

エンズリンは、宿泊するにあたり、下調べを実施。
1408号室に宿泊した者は次々に不可解な自殺を遂げていることを知りつつ、オカルト作家の使命、そして世の中には幽霊は存在せず謎の解けない不可解な出来事などない、という現実派の観点から、「目で見たことしか信じない」そういう立場から「1408号室」に挑戦することを決意する。
1+4+0+8=13という不吉な数字になる、この部屋に関心を抱いて。

そして、登場するホテルの支配人オリン。これまた存在感ある、そしてどこか謎めいた存在。。。サミュエル・L・ジャクソンならではの演技。
トニー・シャルーブが、名探偵モンクと同じような雰囲気を醸し出しつつも、彼ならば絶対に考えられない雑然とした出版社で働いていたチョイ役に過ぎなかったことは、少しファン的には残念であった。。。

映画の話に戻ろう。
支配人オリンは、自殺者以外にも22人の自然死を遂げた宿泊者がおり、合計56人の宿泊者全員が1時間と1408号室で生き長らえなかった事実を告げ、マイクに妥協を迫るが、何かに取り憑かれたかのように1408号室に執着するマイク。
最愛の娘を失っているマイクにとって、本当に怖い物などない……そういうことなのかもしれないと思わされるほどの執着心が彼にはあった。
そして、やむなく1408号室の扉は開けられた。。。

何事もない、普通の部屋に見えたこの1408号室。。。
しかし、突如ラジオから流れ始めるカーペンターズの「愛のプレリュード」……。
ここから、異変が始まる。
異変の詳しい内容については、映画を見てのお楽しみ、ということになろうが、様々な形で恐怖、そして絶望を味合わされるシーンの連続。
息をつくまもなく、様相を変えていく部屋。。。
全ては、ジョン・キューザックの独り演技で成り立っているのだが、それだけで我々は恐怖の中へと否応なしに引きずり込まれる。

これは現実なのか?悪夢なのか?妄想に過ぎないのか?
我々の頭脳がグルグルと掻き回されているうちに……突如として、「えっ」と思わされるようなシーンに出くわし、「そういうことだったのか」とホッとさせられるのもつかの間、またジェットコースターのように恐怖の中へ引きずり込まれていく。
こうなってくると、本当に、何が事実で何が妄想で、何が悪夢なのか分からない。
失ったはずの娘を抱きかかえるシーンも出てくるのだが、それすら何の救いにもならない。
恐怖のうちに、ラストを迎えることになるのだが……最後の最後で更なるどんでん返しが。。。

最後まで観終わった後も、何だか救いがない。。。
これぞ、まさに最高のスリラーなのかもしれない。
少なくとも、今後2度と独りでホテルの1408号室には泊まりたくなくなる。
背筋が凍るような思いと共に、救われない心を抱いて、帰路に着いた。

しかし、ほとんどのシーンで独演を見せたジョン・キューザック。
さすがは演技派俳優。我々を映画の世界に無理やり引きずり込んで、恐怖を共感させてしまうのは、彼ならではの素晴らしさだと思う。
確かに、MISTも救いようのなさを感じたけど、恐怖という面から見れば、1408号室の方が、実際に起こりえそうな場面が多々映し出されており、救いの手を差し伸べて見せては、どん底に突き落とされて、の連続、まさにジェットコースタームービーという点で、サスペンス・スリラーの要素が強く、スティーブン・キングのストーリー・テラーとしての偉大さが感じられる作品だと思った。

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しもちゃん

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“3人の子供を持つパパです”


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