2008-09-29

L'Or des Anges このエントリーを含むはてなブックマーク 

このドキュメンタリーはクラシック初心者、少年合唱団好きの方達には
お奨めかもしれない。
教会史、音楽史をサラッと説明しながら、少年合唱団の歴史を説明。
国を治める事にキリスト教が利用され、どれだけ絶大な影響力があったか
また、その為にキリスト教がどのように誤った方向へ逸れていったか
そして、教会直属の少年合唱団が、いかに世相に翻弄されたかが
絵画やネウマ譜等を通して、少年合唱を聴かせながら、映画は進行する。

内容は演奏抜粋がメインだ。
モーツァルトの「バスティアンとバスティエンヌ」や
ロッシーニの「猫の二重唱」では二人の少年のソロを聴かせ、
(それにしても、色恋沙汰を子供にやらせるのは早熟というか
自然?なのだろうか…笑)
合唱団ではフォーレのレクイエム(ピエ・イエズス)他宗教曲抜粋。
レッスンの様子をホンの気持ち程度サンドして
合唱団のカリキュラムや日常の素顔等は、ほとんど窺えなかったのが残念。
発声の状態チェックの為だろうか、一人ずつ個別に歌わされた中にあった
舌足らずの可愛らしい発音での「蛍の光」ドイツ語版は興味深かった。
また、チェコの作曲家でアウシュビッツの犠牲となった
ギデオン・クラインの作品を少年達がチェコ語で
演奏しているのは、さまざまな意味で意義ある事だと思った。

続く18分足らずの「微熱」。
設定は、変声期を迎え少年合唱団を退団した少年がVcを始め、
音楽学校の卒業試験を迎えるというもの。
私が鈍だからか、この映画は何を言わんとするかが判らなかった。
ただ、皮肉だなぁと思ったのは少年が変声期を迎え、
合唱団で最後に演奏する事になった曲が
モーツァルトの戴冠ミサからアニュス・デイより
少年ソロのDona nobis pacem(我らに平安を与えよ)
ソロを歌い切った直後のtuttiで声が出なくなるのだ。
演奏会を聞きに来ていた母親は帰りの車の中で「微熱のせいよ」
と慰めるのだが。
Vc青年の伴奏の彼女の(だいたい彼氏、彼女に伴奏を頼むのが常…笑)
テロリストゲリラ弾きに思いっ切り引いた(笑)
テクニシャンなのに、もったいない事だ。

私的にはどちらの映画も今ひとつ突っ込みが甘く、中途半端な印象ではあった。

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gondwana

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