太陽が照らす大地の上で鳴り響く音楽で踊る子供達。
それだけ見れば微笑ましい光景だろう。
しかし、彼らの取り巻く環境はあまりに厳しい。
この映画の舞台であるウガンダでは、反政府軍による
ゲリラ活動が今も続いているという。
カメラは、3人の子ども達を追うが
彼らの表情はあまりにも切ない。
無邪気さや幼さが全く見られないからだ。
たった13,14歳なのに日本で到底想像できないような
悲惨な体験を告白する場面、女の子が
亡くなった父親の墓で泣き崩れる場面。
恐怖、あきらめと悲しさ、そしてそれらと日々向き合って
いる強さで凛としている姿に胸が苦しくなった。
彼らがつらさを忘れられるのは音楽をやっているときだけ。
避難民キャンプという厳しい環境の中でも伝統音楽や舞踏から
勇気をもらい明るく練習に打ち込む様子は、とても微笑ましく
また逆に励まされもする。
音楽を通して傷ついた心が少しでも癒されることを願うとともに、
戦争の残虐さや何か自分でもできることはないか?と
考えさせられる作品だ。