国鉄ハイウェイバスに揺られて東京駅八重洲口に着いたのは、1982年の冬だった。
確か朝5時頃だったと思う。喫茶店に行く金も惜しく、何処へ行く当てもないので、とりあえず上野公園をうろつき、西郷隆盛の銅像を拝んだっけ。いったい何を願ったンだろうか。それも忘れてしまったぞ。腹が減っては、公園の水道で水ばっかり飲んでいた。今は、朝から酒が呑める身分にはなったけど。それもどうかと思うが。
あれからちょうど40年。俺の夢と希望と志しは何処へいってしまったのだ。ただ惰性と煩悩だけで生きている。熱くなってないなあ。そんな思いにさせられた映画だ。
原作が本屋大賞ノミネートになったのは聞いてたけど、「アニメ」というワードだけで遠慮していた。スマナイ!「アニメ」。舐めてた。濃いぞ。熱いぞアニメ業界。青春映画じゃないか。
吉岡里帆のことも、アイドル女優みたいにとらえていたけど、これもスマナイ!吉岡里帆。いいじゃないか。大ファンになったぞ。長澤まさみを裏切ってやる。爽快感と少しの余韻を残すエンディングが秀逸。こそっと出ている六角精児も肩の力が抜けてて良し。熱くならないとなあ。「この熱いのをわかってくれるか!」という上田正樹のライブMCを思い出した。まあ、とりあえずキー坊から聴いてみるか。今聴くと、かなりクサいけどさ。