1月30日公開、竹馬靖具監督の『蜃気楼の舟』をなぜアップリンクで配給するのか?
監督とどう宣伝するかを話していた時に突然、リリックが降ってきたのだった!
いい歳こいてラッパーデビューは可能かをshingo2に相談したらトラックを作ってくれるという。
とりあえず以下降ってきたリリックです。
『生の劣化の方程式』
今日、『蜃気楼の舟』を監督した竹馬と話した
しんきろう、しんきろう
見えるけど、実体はない
見えるけど、実体はない
実体がないけど、眼には見える
実体がないけど、眼には見える
それが、しんきろう、しんきろう
『蜃気楼の舟』『蜃気楼の舟』
見えない舟、実体のない舟
フネ、フネ、フネはノアの方舟か
ノアの方舟か
それで、なんでこの映画を撮ったのかを聞いた
「生の劣化」を描きたかったという
せいのれっか、せいのれっか、
生命の劣化、生命の劣化、
生きる力が衰えているというのか、生きる力が
「僕たち、今の若者はそうですよ」という
本当なのか、ほんとうなのか
生の劣化、生の劣化が進んでいるのか
映画に出てくるやつらは「囲い屋」を生業としている
カコイヤ、カコイヤ
街で生が劣化したおっさんたちを拾ってきて
檻のない動物園のような部屋に住まわせて
生活保護費をピンハネする商売
ピンハネ、ピンハネ
おっさん、カコイヤ、おっさん、カコイヤ
生の劣化、生の劣化
どっちもどち、どっちもどっち
どっちもどっち
生きる力を失った、おっさん
生きてるやつがする仕事かよと思う囲い屋
生きる力を失った、おっさん
生きてるやつがする仕事かよと思う囲い屋
そんなことやって稼いで楽しいのかよ
囲い屋で稼いで楽しいのかよ
そんな部屋に囲われていて楽しいのかよ
生きてる実感があるのかよ
どっちもどっち
どっちもどっち
それで、なんでこの映画を撮ったのかを聞いた
「生の劣化に抗うため」と答えが帰ってきた
あらがう、あらがう、
生の劣化に、生の劣化に
あらがう、あらがう
生の劣化に、生の劣化に
あらがう、あらがう
生の劣化に抗うために映画を作る
生の劣化に抗うために映画を作る
生の劣化に抗うために表現する
生の劣化に抗うために表現する
上等じゃない
「浅井さんは劣化しないんですか」
と質問された
俺の生は、俺の生は、
生は、生は、
俺の生は劣化しないと言いたいところだけれど
俺も今年で60歳
葉っぱ64マイナス4
日々劣化していく俺の生
日々、死に近づいていく俺のいのち
俺は毎日死に近づいている
俺の生は劣化していく
でも、まてよ、この方程式は
32歳の竹馬、お前も同じ方程式の中で生きているじゃないか
死は32のお前も同じ方程式の中で生きているじゃないか
お前の生も日々劣化していく、
お前も日々死に近づいている
生の劣化、生の劣化
それは等しくみんなが生きる方程式
それは等しく誰もが生きる方程式
生の劣化の方程式
生の劣化の方程式
生の劣化が状態となったら人間終わり
生の劣化状態の人間は終わり
生の劣化状態の人間は終わり
それでも全ての人に等しく生は劣化していく
生は劣化していく
これは避けられない生の劣化の方程式
生の劣化の方程式
人は、死に向かって生きている
「なんで生きてるのですか」
と答えようのない質問をされる
なんで生きてるのか
なんで生きてるのか
俺はこう答えた
「生の劣化をしたくないから生きている」
答えはもっとシンプルに、シンプルに
「死にたくないから生きている」
竹馬に聞いた
「なんで生の劣化に抗うのか」
「生の劣化はだめなのか」
自分に聞いた
「なんで死にたくないのか」
「死んだらだめなのか」
答えはシンプルに
答えはシンプルに
「生の劣化は面白くない」
「死んだら面白くない」
おもしろくない
おもしろくない
どうせ死に向かって生きてるのなら
面白く生きたい
どうせ生が劣化していくのなら
面白く生きたい
どうせ生の劣化の方程式ならば
面白く生きたい
『蜃気楼の舟』最後は炎に包まれる舟
炎、生きてる炎、
生きている炎に包まれ舟は灰になる
生きてる炎で灰になる
生きてる力で灰になる
生きている力で死ぬ
生きてる力で死ぬ
死ぬためには生きる力が必要
死ぬためには生きる力が必要
「生の劣化だらけの世の中で美しい物を描きたかった」と竹馬
美しいもの、それは炎、美しいものそれは命
おお、ドストエフスキーにたどり着いたのか
ドストエフスキーこういったらしいじゃないの
「美が世界を救うのか?」
美しい炎、美しい力、美しい命
生の劣化に抗う美だけが世界を救うのか
イエス、
生の劣化に抗う美だけが世界を救うのか
イエス、
「美が世界を救うのか?」
イエス、
最後に舟が燃える映画『蜃気楼の舟」
眼に見えても実体のないのが蜃気楼
蜃気楼の舟を探し求める囲い屋の男
囲い屋の男は俺たちなのか
囲われた奴らは俺たちなのか
俺たち誰もが生の劣化の方程式の中で生きている
死にたくないから生きている
死にたくないから生きている
どうせ死ぬなら面白く生きたい
どうせ死ぬなら面白く生きたい
生の劣化の方程式を生きる俺は、
まだ死にたくない