2008-06-09

宗教、人間存在、家族、男と女の物語 このエントリーを含むはてなブックマーク 

暗闇の中、142分の物語、『シークレット・サンシャイン』は確かに存在していた。
143分後、会場を出た後、苦しみも、楽しみも、悲しみも全てを経験したような余韻が残った。悲しみを乗り越えたシネ、愛する人を必死で守ろうとするチャン。シネを暖かく見守り、親切な行動にでる密陽の街の人々。ドラマ全てが、全く無駄がなく、韓国の密陽という街に自分が溶け込んだように、シネに、チャンにがんばれ、危ない、もう少しだ!と励ましたり、動揺したりしている自分がいることに気づいた。
ひとつ間違えれば、メロドラマになりそうな雰囲気があったが、しかしこの映画では瞑想的で文学的な、テクスチャーが織り込まれ、なおかつ人間存在を問う、壮大な物語が広がっている。
この映画は、言葉では言い表せない、人間の価値についてを問うている。

しかし、チョン・ドヨンはなんでこんなにも人の心を揺すぶる演技ができるのかとつくずく思う、素晴らしい女優だ。

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西田正人

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